技術部長挨拶(平成21年度)

技術部長 都市社会工学専攻 教授 谷口栄一

taniguchi.jpg工学は、科学技術を社会に役立たせるための学問であり、今日の地球環境問題、エネルギー問題、長寿社会における人間の健康問題など様々な問題について解決策を研究し、実際に適用することが強く求められています。京都大学工学研究科はこのような社会の要請に応えられるような教育・研究を行い、社会のリーダーとなるエンジニアを輩出することを目指しています。そのために世界最高水準の研究をベースとして、人材の育成、国際貢献に努めています。

このような状況において、工学研究科技術部は、特色ある京都大学工学研究科の教育研究を技術面において支援する組織として、5つの技術室における技術職員約40名から成り立っています。5つの技術室は、総合建設、設計・工作、分析・解析、情報、環境・安全・衛生に分かれており、それぞれの分野において主に実験や解析の技術的支援を行っています。工学分野の研究を行う場合に、実験や解析は必須のものであり、新しい実験機器や測定法の開発において、技術職員による技術支援は欠かせないものとなっています。また、工学部の学生実験における技術職員の支援も重要な要素となっています。数年前に国立大学が法人化されて以降、危機管理における安全・衛生、情報セキュリティの重要性が高まり、この分野においても技術職員が大きな役割を担っています。しかしながら、近年の定員削減によって技術職員の数は減少傾向にあり、限られた数の職員によっていかに効率的に高度な業務を遂行するかが課題となっています。そのために技術職員の研修を実施し、専門分野の技術の伝承とともに、専門分野以外の幅広い知識の習得に努めています。さらに、ものづくり工房・技術相談室を設置し、ものづくりに関する教員、学生、研究員への技術支援も行っています。

将来においては、技術室をさらに充実させると共に、国際化への対応、学内の他部局や他大学の技術部との連携も進めていきたいと考えています。工学研究科技術部は、これからも日々研鑽を積み、工学研究科の教育研究に対して、より高度で効率的な技術支援を行っていきたいと考えていますので、皆様の一層のご支援、ご鞭撻をお願い申し上げます。